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日鉄興和不動産とJDSC、次世代ウェルネス住宅「SumuWell」の実証実験開始



日鉄興和不動産株式会社(本社・東京都港区)の総合研究所「Future Style総研」と株式会社JDSC(本社・東京都文京区)が、健康や暮らしのデータを活用した次世代ウェルネス住宅「SumuWell(スムウェル)」の実現に向けた実証実験を開始する。2030年の事業化を見据えた取り組みの第一弾となる。

実証では、住宅に設置したIoTセンサーなどから健康や暮らしに関するデータを継続的に取得・分析。日常生活の中で健康状態を可視化するとともに、複数のデータを組み合わせることで、不調の要因を捉えられるかを検証する。対象はプロジェクト開始時には若年層とするが、年齢や身体的条件、デジタル機器の利用経験などにかかわらず利用しやすい設計を目指し、将来的には幅広い層への展開を想定している。

背景には、健康寿命の延伸や未病予防を目指す「Longevity」への関心の高まりがある。Future Style総研の調査では、20~40代男女が抱える将来の不安として「ずっと健康でいられるか」が2017年以降7年連続で1位となった。また、2024年の調査では、30代単身男女の幸福度と関連する要因の一つとして「身体的健康」が挙げられている。




一方、健康診断や人間ドックなどは特定時点の状態を確認するものであり、ウェアラブル端末などによって日常的に健康データを取得できる環境が広がるなか、複数のデータを統合して生活環境と健康状態の関係を捉える取り組みは今後の課題となる。

今回の「SumuWell」では、睡眠、食事、運動、心理状態など、日常生活に関わる複数の情報を住まいという生活基盤から捉え、健康状態や不調の要因を可視化することを目指す。健康管理のために新たな行動を求めるのではなく、「住む」という日常そのものを健康支援につなげる点が特徴だ。本実証は、国土交通省の「令和8年度サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」の「次世代住宅プロジェクト2026」に採択されている。

「健康を測る場所」から「健康をつくる場所」へ

今回の取り組みで注目したいのは、住宅が単なる生活空間から、健康状態を継続的に把握し、健康行動を支援する「ヘルスケアプラットフォーム」へ変わろうとしている点だ。これまで健康関連サービスでは、医療機関や薬局、ドラッグストア、フィットネス施設などが主要な接点となってきた。しかし、住まいには睡眠、食事、活動量、室内環境など、健康状態と密接に関わる情報が日々蓄積される。こうしたデータを適切に扱うことができれば、医療機関を受診する前の「日常の健康管理」という領域に新たなサービス機会が生まれる可能性がある。

ドラッグストアや薬局にとっても、住宅・不動産企業との連携は今後の選択肢になり得る。例えば、住環境から得られる健康データと、薬剤師による健康相談、セルフケア商品の提案、受診勧奨などを組み合わせれば、「生活→健康状態の把握→相談→商品・サービス→医療」という新たな顧客接点を構築できる余地がある。ヘルスケア市場では、医療・介護業界だけでなく、不動産、住宅、家電、通信、ITなど、生活者との接点を持つ異業種が健康領域へ進出している。「どこで健康サービスを提供するか」という発想そのものが変わりつつあり、今後は「住む」「働く」「買う」「移動する」といった生活行動そのものをヘルスケアにつなげるビジネスモデルがどこまで広がるかが注目される。