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森永乳業2026年新商品発表会レポート〜腸内環境・サステナビリティを軸に健康課題に寄り添う〜

2月25日、森永乳業が2026年春の新商品発表会を開催し、2026年度のマーケティング方針と新商品戦略を発表した。会見では、ヨーグルト、アイス、飲料、チーズ、ベビーフードなど幅広いカテゴリーで新商品を投入する方針を示し、2026年春の新商品55品の販売目標を291億円と設定した。

冒頭挨拶に立った代表取締役社長の大貫陽一氏は、新たな中期経営計画のスタートを踏まえ「メリハリある経営資源配分によって成長領域へ投資を強化する」と説明。

ヨーグルト、アイス、育児事業などを重点領域と位置づけ、収益力の高い企業への進化を目指す方針を示した。また、同社の企業理念である「輝く笑顔のために」を実現するための価値として「すべての人のお腹をベストにする」という考え方を紹介。腸内環境から健康を支える商品開発と、おいしさの両立を軸に事業を展開していくと強調した。

■ ヨーグルトを軸に健康価値を強化

マーケティング本部長の南崎康夫氏は、2026年度のマーケティング方針について、「おいしさ」「楽しさ」「健康」「栄養」の4つの価値を軸に商品展開を進めると説明した。同社の主力ブランドには、アイスのピノ、PARM、コーヒー飲料のマウントレーニアなどがあり、これらのブランドを通じて日常の楽しさや幸福感を提供していく考えだ。

また、同社が長年研究を続けてきたビフィズス菌を活用した健康提案も強化する。ヨーグルトブランドのビヒダスなどを通じて、腸内環境改善や健康維持に貢献する商品開発を進めていく。ビフィズス菌は同社にとって重要な研究資産であり、乳児向け菌株から成人向け菌株まで、ライフステージごとに健康課題へ対応する商品を展開している。こうした研究基盤を活用し、赤ちゃんからシニア層まで長期的な顧客価値(LTV)の創出を目指すという。

さらに、「もったいない」をお客様の価値へ、サステナビリティを意識した商品開発も重要テーマとして掲げた。食品ロス削減やプラスチック使用量削減などの社会課題を、単なるコストではなく新たな価値創出の機会として捉える「サステナビリティマーケティング」を推進する。

具体的には、牛乳やヨーグルトの賞味期限延長や容器改良を進め、利便性向上と環境負荷低減を両立させる取り組みを進めている。例えば、主力ヨーグルトのビヒダスでは容器形状を見直し、冷蔵庫への収納性や使いやすさを改善するなど、生活者視点の改良を進めている。

■ 目玉は「ビヒダスW」

続いて、事業マーケティング部長の迫口真輔氏が、2026年春の新商品と重点商品を紹介した。

今回の目玉商品として発表されたのが、新ヨーグルト「ビヒダスW(ダブル)」である。同商品は2種類のビフィズス菌を組み合わせた機能性ヨーグルトで、腸内環境を整える働きと体脂肪低減をサポートする機能を併せ持つ点が特徴だ。大容量タイプで毎日食べ続けやすい設計とし、「頑張りすぎない体型ケア」というコンセプトを掲げた。短期的なダイエットではなく、日常習慣としての健康管理を支える商品として展開する。

同社によると、ヨーグルト市場では機能性商品の伸びがやや鈍化する一方、プレーンヨーグルトやギリシャヨーグルトの人気が高まっているという。こうした市場環境を踏まえ、健康機能とおいしさを両立する商品として投入する。同ブランドは2028年に発売50周年を迎える予定で、新商品の投入によりブランドのさらなる成長を図る考えだ。

■ プロテイン飲料やアイスでも新提案

ヨーグルト以外のカテゴリーでも、新たな商品提案が行われた。飲料カテゴリーでは、マウントレーニアからプロテイン入りコーヒーを発売予定。タンパク質10gを含み、低脂肪で手軽に栄養補給ができる商品として展開する。日常的に無理なくタンパク質を摂取したい層をターゲットとしている。

アイスカテゴリーでは、長期化する猛暑への対応として夏向け商品の強化を進める。近年は猛暑により家庭内でアイスを食べる機会が増えていることから、ジェラートタイプなど新シリーズを投入し需要拡大を狙う。さらにチーズやベビーフードなどでも新商品を投入し、家庭内の食シーンに応じた提案を進め、ファミリー世帯の需要獲得を狙う方針。

今回の発表会では、新商品の展示や試食も行われ、開発担当者が商品コンセプトや開発背景を説明し、多くの報道陣で賑わった。健康志向の高まり、物価上昇による節約志向、環境意識の高まりなど、食品市場を取り巻く環境は大きく変化している。こうした中で、同社は「おいしさ」と「健康価値」を軸に新商品を展開し、市場の拡大を図る考えだ。ヨーグルトを中心とした腸内環境提案やプロテイン商品の拡充など、健康をキーワードとした商品開発は今後さらに加速しそうだ。