
健康関連市場の追い風を受けるキリンビバレッジ株式会社(井上一弘社長)が、さらなる成長拡大を宣言した。2026年度は「ヘルスサイエンスのリーディングカンパニー」の実現に向け、「プラズマ乳酸菌」シリーズを圧倒的ポジションに押し上げるほか、花王から譲受した「ヘルシア」の収益基盤の強化、さらに “こども健康飲料”を掲げた新商品「ムテキッズ」の拡販などに務める。中長期的に「免疫」「脂肪」に次ぐ機能性カテゴリーも育成し、10年後の2035年にヘルスサイエンス飲料の売上高で倍増以上を目指す。(取材と文=八島 充)

2025年の清涼飲料市場は前年比97%で着地したが、健康意識の高まりに応えた商品群は成長を続けている。キリンビバレッジの売上も全体では前年比トントンだったが、「ヘルスサイエンス」と位置付ける商品群は2ケタの伸びとなり、同領域の売上構成比も1.5P上昇の15.5%となっている。
特に「プラズマ乳酸飲入り飲料」は、免疫ケアの入り口として「イミューズ」を提案したほか、シニアを含む幅広い層に「おいしい免疫ケア」の習慣化を促し、年間の出荷箱数が1000万箱の大台を超えている。また、“こども健康飲料”を掲げた新商品「ムテキッズ」を一部量販店でテスト販売し、今春の全国発売に向けて準備を進めてきた。
近年の市場動向について井上社長は、「労働人口がピーク超えた2024年を境に清涼飲料市場の減少が予想されるが、消費ニーズが多様化する中で、健康カテゴリーは引き続き成長するだろう」とコメントし、ヘルスサイエンス領域の拡大に期待を寄せている。
2026年は「おいしい飲みもので、世の中の健康と未来を創造する」というビジョンのもと、
「ヘルスサイエンスの成長加速」
「無糖茶カテゴリーにおける健康提案」
「紅茶カテゴリーの価値拡大」
――という3つの方針を掲げている。
「ヘルスサイエンスの成長加速」は、「プラズマ乳酸菌入り飲料」の国内チャネル開拓と海外展開、子ども健康飲料の拡大、さらに花王から譲受した「ヘルシア」を中心とした脂肪領域の収益拡大に取り組む。さらに「未病」を念頭にした新たな機能性カテゴリーの研究開発も促進。「詳細を今年中にお伝えできると思う」(井上社長)という。
今年から、従来のヘルスサイエンスの領域(「プラズマ乳酸菌入り飲料」「脂肪対策」「栄養の補給」)に、「熱中症対策」を加え販促を強化する。2026年の売上高は全体で横ばいとしつつ、ヘルスサイエンスの領域は15%増、同領域の売上比率は2.5P増の18%を目指す。また、上記施策を3年以内に軌道に乗せ、2035年のヘルスサイエンス飲料の売上高を、25年比で倍増以上に引き上げる計画である。

「無糖茶カテゴリーにおける健康提案」では、「ヘルシア」をより身近に感じるようリブランディングするとともに、その他無糖茶飲料の健康提案を促進する。「ヘルシア」の売上高を2028年までの3年間で1.5に引き上げ、2035年までに無糖茶全体の売上高で25%増を目指す。
「紅茶カテゴリーの価値拡大」では、今年で40周年を迎えた「午後の紅茶」のブランド力を高め顧客接点を拡大する。合わせて国内外の原材料産地の発展を継続支援する。その一環で先ごろサイクロン被害を受けたスリランカに義援金を送り、同国とのさらなる協力関係を約束した。2035年の「午後の紅茶」売上高は25年比5割増の目標を掲げている。


ヘルスサイエンス領域の新商品として、昨年来テスト販売をしてきた「プラズマ乳酸菌入り飲料」の「ムテキッズ」を、3月17日に全国発売する。同商品は「子ども健康飲料」という新たな市場の創造を狙ったもので、コロコロコミックと共同開発したパッケージの採用や、家族と保育施設等が連携して取り組める啓発活動を通じ、「子どもが自ら取り組む健康習慣をつくることを目指す」(鈴木郁真マーケティング部長)という。

また「イミューズ」「おいしい免疫ケア」は、季節や家族の健康といった社会的関心を喚起しながら「プラズマ乳酸菌」の価値を高め、「各々に飲料シーンを拡大する年にしたい」(鈴木部長)としている。4月14日にイミューズブランドの新商品「フルーツリフレッシュ」シリーズを、また3月3日に「おいしい免疫ケアセラミドプラス」(機能性表示食品)を新発売する。


「ヘルシア」シリーズからは、4月7日に「ヘルシア うまみ緑茶」(特定保健用食品)を発売する。高濃度540mgの茶カテキン配合で機能性をアピールしつつ、飲み続けやすいおいしさも追求した。このほか40周年を迎えた「午後の紅茶」ブランドは、「紅茶を選択したくなる飲料理由」を創造してNo.1カテゴリーの地位を一層高めていく。