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【キリン】「からだウォーズ」が日本科学未来館で期間限定オープン【レポート】

「免疫細胞軍」と「ウイルス連合軍」に分かれて親子で楽しく〝免疫〟を学ぶ

 キリンホールディングス株式会社が11月26日から2026年1月25日にかけ、東京都江東区の日本科学未来館で「からだウォーズ 免疫細胞軍VSウイルス連合軍」の展示を開始した。体内没入型バトル「からだウォーズ」はゲームや展示を通じて、免疫の働きや感染症について体験しながら学べる内容となっている。オープン前日に開かれたメディア向け内覧イベントでは、キリンHDのヘルスサイエンス事業本部の桜井可奈子氏が説明に立ち、「からだウォーズ」の見どころと、今年の感染症流行のポイントを紹介した。(レポート=中西陽治)

感染症の早期拡大と同時流行を踏まえ「家族で対策を」

メディア向け内覧イベントの模様

 最先端の技術で展示を行う国立機関が運営する日本科学未来館と、約40年にわたり免疫研究を行ってきたキリンのコラボレーションが実現した。

 「からだウォーズ」は、展示物や体験できるゲームを通じて、免疫の働きを体感しながら学べる内容となっており、体内で起きている免疫の戦いをテーマに「免疫細胞」と「ウイルス」に分かれて健康の大切さを啓発する。
 免疫細胞やウイルスに関わる仕組みをわかりやすく伝えつつ、3つの体験ゲームブースで遊びながら感染症対策を学べるコンテンツとなっている。

 メディア向けイベントに登壇したキリンHDの桜井氏は「今年はインフルエンザをはじめとした感染症の流行が例年をよりもかなり前倒しで始まっている。また、複数の感染症が同時に流行するという、従来に見られなかった環境にある。このような環境にあって、今こそ子供から大人までが、健康について正しい理解を持つ必要があると考えている。そこで、キリングループが約40年にわたり研究を重ねてきた「免疫」が、健康維持のカギになると思い、「からだウォーズ」の展示を企画した」と目的を示した。

(左より)キリンHDヘルスサイエンス事業部の城内健太主務と桜井可奈子氏

親の8割が「子どもの回復後に感染経験あり」

「子どもが回復したあとに自身が体調不良になった経験」

厚生労働省の調べでは今年のインフルエンザ発生状況は、寒さが本格化する前の10月末~11月頭(1週間)の件数が昨年比で10倍以上となっている(厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」より)。また昨年は0~9歳の若年層の感染者数が過去最多を記録している(国立健康危機管理研究機構「感染症発生動向調査」より)。

 桜井氏は「感染症の流行は予測が難しい。だからこそ、誰もが感染症対策のために免疫をしっかりケアすることが大切であり、そのための正しい知識を身につけていただきたいと考えている」と語る。

 さらにキリンが行った「看病を担う親の体調」の実態調査(調査対象:未就学児と同居する親975人)では、「子どもが回復したあとに自身が体調不良になった経験」を聞いたところ、79.7%の親が「ある」と回答(=グラフ参照)。さらに「子どもの看病の後に自分が体調を崩したときのつらさの度合い」については「いつもよりつらかった」が50.9%と高い水準を示している。

 このことから家族間での感染連鎖が起こりやすい状況があきらかとなり、結果を受け、キリンでは「個人での対策も重要だが、家族単位での予防が必要」と考え、「からだウォーズ」の展示を行うことを決めた。

東京・お台場の日本科学未来館

感染症時代。体内の戦いに参戦せよ。「からだウォーズ」

 「からだウォーズ」は、主に未就学児(幼稚園以上)とその親世代に据え、家族やグループでの免疫と感染症に関心を持つことに注力している。ネーミングやキービジュアルもテーマパークのアトラクションを思わせる仕組みを導入。特に子どもが免疫に関心を持てるような直観的かつ分かりやすいコンテンツを用意した。期間中の目標来場者数は7万人を見込んでいる。

 「からだウォーズ」の展示はまず〝免疫細胞軍〟と〝ウイルス連合軍〟の2つの入口を選択して入場する。

「免疫細胞軍」の入口で体を守る細胞、免疫、サポートアイテムを学ぼう

 免疫細胞軍の入り口では「pDC」「ヘルパーT細胞」「B細胞」「キラーT細胞」「NK細胞」の役割の説明とともに、自然免疫と獲得免疫の違いを紹介。これら細胞のサポートアイテムとしてたんぱく質や乳酸菌、ビタミンAの重要性をパネルで示している。

「ウイルス連合軍」の入口でウイルスの種類や、感染症リスクを知る

 ウイルス連合軍の入口では「インフルエンザウイルス」「新型コロナウイルス」「ノロウイルス」「アデノウイルス」「RSウイルス」の違いと体に及ぼす影響を紹介。これらウイルスに係りやすい状況をネテナイニンゲン(睡眠不足)、ストレスニンゲン(イライラなど)、カンソウニンゲン(炎症など)、ウゴカナイニンゲン(運動不足)、カクサンニンゲン(飛沫など)に例えて、感染症リスクを説明する。

学びを活かして「体内決戦リズムゲーム」でバトル!

 2つの入口で各軍の知識を得た先に、順路が一つに集約されゲーム型コンテンツ「体内決戦リズムゲーム」が登場する。

 リズムゲームは両軍サイドに分かれた対戦型で、モニターに表示されるマークをタイミングよく推して、免疫と感染症の勢力を競う。
 特に免疫細胞軍サイドに表示されるマークには「150分運動」や「体温36.5度」「タンパク質」「乳酸菌」などキーワードが散りばめられ、ゲームを楽しみながら健康に役立つアクションが意識づけされるよう工夫がなされている。

モニターを挟んで両軍白熱するゲーム

 ゲームは簡単ながら、大人でも白熱する内容となっており、取材時にも大人グループと子どもグループに分かれ、免疫およびウイルスのバランスの重要性を復習していた。

クイズをクリアし出口を目指そう!「かえってきた からだウォーズ」

 リズムゲームの先に、もう一つのコンテンツ「かえってきた!からだウォーズ」が続く。クイズ形式で先に進む迷路で、正しい免疫ケアを学び、ゴールを目指す。ゴールの先には巨大モニターにボールを当てて、免疫の活性化を学ぶ「免疫応援ボールゲーム」が用意されている。

ボールを当てて免疫細胞を活性化!「免疫応援ボールゲーム」

 「免疫応援ボールゲーム」は巨大モニターに白および黄色のボールを当て、ウイルスと戦う免疫細胞を応援するコンテンツ。時間内に100点を目指し、力いっぱいボールを投げる子どもの笑顔がはじけていた。


JAHI今西会長も賛同「親子はもちろん、高齢者にも体験してほしい」

 「からだウォーズ」を後援する公益財団法人日本ヘルスケア協会(JAHI)の今西信幸会長がオープニングイベントで取材に応じ、「風邪とインフルエンザの違いや、重症率の度合いを知ることが重要。特に罹患しやすい子どもから家庭内感染が起きやすいことが示唆されており、家族や集団でヘルスケア(予防)に取り組む重要性を感じている」とサポートの意図を説明。

 「子どもたちが成長していく中で『学び』『運動』『食(給食など)』『睡眠』は欠かせない要素であり、介護予防に臨む高齢者も同様に『脳』『体』『食』『睡眠』が重要。親子だけでなく、高齢者も含めた多世代で『からだウォーズ』を体験してほしい。楽しく学んで病気になりにくい状況をつくることが、ヘルスケア実践の第一歩につながる」と今西会長は期待を込めている。


感染対策ボードゲームの発案者 愛知県の小学5年生も応援に駆け付ける

 「からだウォーズ」来場者には感染症対策について学べるボードゲーム「CELL ‘SHOGI BATTLE’」が数量限定で配布される。
 「CELL ‘SHOGI BATTLE’」は免疫細胞VSウイルスの対戦ボードゲームで、「からだウォーズ」の体験内容とアレンジされており、帰宅後も免疫細胞とウイルスの戦いを楽しく学ぶことが出来る。

 制作に携わった愛知県名古屋市のインターナショナルスクールの仲良し3人組、HARUさんとELLYさんとKELLYさんがオープニングイベントに参加。

 「CELL ‘SHOGI BATTLE’」の制作秘話では「私たちはインターナショナルスクールで出会った3人なので、国際交流を意識して日本の将棋の要素を入れました。『CELL ‘SHOGI BATTLE’』で大人も子供も楽しんで免疫の大切さをしってほしいです」と語った。

 自らの健康対策は「免疫に良いといわれている乳酸菌飲料を飲んでいます」「睡眠を9時間は取るようにしています」「ヨーグルトが好きなので積極的に食べています」と明かしてくれた。

「からだウォーズ」を楽しむ愛知県名古屋市のインターナショナルスクールのみなさん(中央)

「体内没入型バトル 『からだウォーズ 免疫細胞軍VSウイルス連合軍』」

公式HP:https://health.kirin.co.jp/special/karadawars/index.html