ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

アルフレッサHD、バイオシミラー等の共同開発を開始

アルフレッサホールディングス株式会社、キッズウェル・バイオ株式会社、および株式会社カイオム・バイオサイエンスがこのほど、新規のバイオ後続品(バイオシミラー)開発に関する基本合意書と個別製品の共同開発のための基本契約書(同契約)を締結した。

バイオシミラーは、先行バイオ医薬品と同等の品質、安全性および有効性を有しながら、薬価制度上、安価に設定されていることから、その普及は患者様の治療選択肢の拡充と医療費負担の軽減、医療費の適正化にも寄与する。厚生労働省は近年、バイオシミラーの使用を促進する施策を積極的に進めており、その一環としてバイオシミラーの安定供給体制を日本国内に構築することを目的とした「医療施設等施設整備費補助金(バイオ後続品国内製造施設整備支援事業)を推進している。また、厚生労働省は2023年12月に「2029年度末までに、バイオシミラーが80%以上を占める成分数が全体の成分数の60%以上注3」となることを数値目標として設定しており、今後の積極的な普及が期待される薬剤となる。

アルフレッサHD、キッズウェル、カイオムの3社は、今年度5月に厚生労働省の助成事業に採択され、 現在、台湾においてバイオシミラーを含むバイオ医薬品のCDMO注4としての多くの受託実績を持つMycenax Biotech Inc.(MBI)とともに、バイオシミラーの国内製造施設の整備を進めている。

さらに今回、バイオシミラーの共同開発のための契約締結によりアルフレッサHD、キッズウェル、カイオムの3社は、医薬品等製造事業を有し、医療用医薬品等卸売事業において国内に医薬品等の全国流通ネットワークを構築するアルフレッサグループ、複数のバイオシミラーの製品開発と安定供給に携わるキッズウェル、および抗体医薬の研究開発に長年の経験を有するカイオムの強みを生かし、新規バイオシミラー創出に向けた協業を進める。開発された新規バイオシミラーは、厚生労働省の助成事業で整備する国内製造施設へ移管し商用製造することを想定し、製造実績の積み上げと同施設の安定操業につなげる。

同契約は、バイオシミラーの新規開発から製造、そして流通までを含む国内初のバイオシミラーのトータルバリューチェーン構築の取り組みをさらに強固に進めるもの。国内製造施設の安定的な稼働、国内におけるバイオシミラー医薬品の安定供給体制の確立、製造したバイオシミラー医薬品原薬や製剤の海外輸出、さらには国内バイオ人材育成を通じて、日本のバイオ産業発展への貢献を目指す。