カルビー(江原信社長)がポテトチップス市場に参入したのは1975年で、今年で50周年を迎える。この半世紀、素材への変わらぬこだわりにくわえ、鮮度保持やデザイン、味、食感を時代にニーズ合わせた商品づくりにより、「ポテトチップス」を国民食とも言えるカテゴリーに育て上げた。その同社は9月1日より、50周年の感謝を伝えるべく、全国を縦断(予定)する初の大規模サンプリングを、東京からスタートした。また50周年記念商品「感謝のほたてしお味」を数量限定で発売するほか、マルチパック商品「たべよんパック」の販売も拡大する。
同社は1964年、食糧難の時代の栄養食として「かっぱえびせん」を発売し事業を起こした。米国で人気だったポテトチップスの事業に参入したのは1975年。これまで飼料やデンプンのみに利用されていた北海道産の馬鈴薯を、付加価値のある食品に昇華させ産業化に成功している。
1983年にはパッケージにアルミ蒸着フォルムを採用して鮮度保持を図り、2019年には賞味期限延長(および月表示)により食品ロスの低減にも貢献してきた。
2025年3月現在、馬鈴薯の契約生産者は全国1600戸にのぼり、国内の馬鈴薯調達量は同社スナック合計で37万tを超える。ポテトチップスカテゴリーの年間生産袋数は9億2000万袋で、同カテゴリーの年間売上は1028億円の規模となっている。
1日に催された記者発表会の壇上で江原社長は、「ポテトチップスは手軽に食せる菓子として、また最近では食事にも活用され、日本の国民食の1つになった」「ひき続き素材のおいしさへのこだわりを追求しながら、今後はヘルスコンシャスな方にも楽しんでもらえる商品開発に取り組んでいきたい」と語っている。
また次の50年、100年ブランドを念頭に、「産地・生産者・地域社会」「お客様」「流通・物流業者」の3者との「つながり」を約束し、「ポテトチップス事業をさらに成長させていく」と宣言した。
発売50周年の記念企画として、
1)全国での感謝いっぱいサンプリング
2)ファンの声から生まれた50周年記念商品
3)マルチパック商品「たべよんパック」の販売拡大
――を展開する。
同社初となる大規模サンプリングは、1日〜3日のJR東京駅を皮切りに、大阪・福岡、札幌・広島など全国で実施する。「サンプリングを含め50周年期間の2026年8月まで様々な形でお客様に還元していきたい」(マーケティング本部ポテトチップスにベーシックポテトチップスチーム・井上真里氏)としている。
また50周年記念商品として、同社のファン1万6000人以上の声を反映した「感謝のほたてしお味」を1日より発売した。ホタテをメインに昆布・かつおの旨みを重ね、特別感のあるおいしさを目指した商品となっている。
このほか複数人とシェアする形態として、コロナ禍以降に小分け袋の需要が高まっていることを受け、マルチパックの「たべよんパック」の販売を促進。せとうち広島工場のライン等で生産体制を強化する。
「カルビーポテトチップス」の歴史をnote「THE CALBEE」で紹介している。
発売50周年!「カルビーポテトチップス」の歴史をパリッと紐解く ~“おいしさ”と“品質”を追い求めて~
URL:https://note.calbee.jp/n/n255b4661b9e8