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キリン「子ども健康飲料№1」目標に掲げる

「プラズマ乳酸菌」入り飲料「キリン つよいぞ!ムテキッズ」新商品発表会

 キリンビバレッジが、同社初の「プラズマ乳酸菌」入り子ども専用健康飲料「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を6月17日(火)よりエリア限定で新発売する。「キリン つよいぞ!ムテキッズ」はプラズマ乳酸菌500億個(子ども一日分目安量)と鉄分1.5mg配合のすっきりとしたヨーグルトテイスト飲料で、パッケージには小学館の「月刊コロコロコミック」編集部とコラボレーションしたキャラクターを採用。発売に合わせて行った新商品発表会でキリンビバレッジは「『子どもの健康』のための飲料を選ぶ行動変容を起こし、子ども向け健康飲料の市場拡大を図り、『おいしい健康』が当たり前の世の中を創り上げる。そして『キリン つよいぞ!ムテキッズ』を旗印として〝子ども向け飲料№1〟を目指す」と目標を掲げた。(取材・写真=中西陽治)

鈴木執行役員「2030年にヘルスサイエンス飲料で売上2倍以上を目指す」

 キリンビバレッジが「キリン つよいぞ!ムテキッズ」(6月17日発売)の新商品発表会を都内で開催した。

鈴木郁真氏

 発表会に登壇したキリンビバレッジ執行役員マーケティング部長の鈴木郁真氏は「当社はヘルスサイエンスをドライバーに、お客様のココロとカラダの健康に最も貢献する高収益企業〝ヘルスサイエンスリーディングカンパニー〟となることをビジョンに据えている」と方針を語り、健康を根本から支える「免疫領域」(「iMUSE」や「おいしい免疫ケア」など)と、健康習慣ニーズのある「脂肪対策」(「ヘルシア」や「カロリミット」など)に注力していることを改めて紹介した。

 同社ではこれら「免疫領域」と「脂肪対策」の、新規顧客の間口拡大を図ると同時に、習慣化の促進に挑んでいる。中でも「免疫領域」では、「iMUSE」「おいしい免疫ケア」ともに2024年から出荷数が大きく伸長し、2025年第1四半期では前年同期比で118%の伸びを見せている。

 鈴木氏は「当社では『免疫領域』と「脂肪対策」を軸に、販売チャネルの開拓、新たな事業の柱の確立、海外事業拡大を含めた市場拡張を進めている。そして2030年にはヘルスサイエンス飲料の売上収益を2024年比で2倍以上に育て上げる」と目標を語った。

 そのために必要なのが、キリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌」による、「免疫習慣」の間口拡大だ。つまり〝健康な人の免疫機能の維持をサポートする〟機能性表示食品を超えた「プラズマ乳酸菌」の浸透がカギとなる。

 機能性表示食品は18歳以上の成人を対象にした制度で、厳密には子どもはターゲットには当たらない。ただし、免疫は成人のみに関わる生体防御機能ではなく、子どもにも重要な生体システムだ。すなわち早期から免疫の重要性を知り、アクションと習慣につなげることが生涯の健康に関わってくる。キリンはそこに着眼し、2022年から小学生向けの特別授業「免疫ケアで健康な毎日を」を全国500校、延べ35,000人以上の子どもたちに学びを届けている。

 鈴木氏は「トクホや機能性表示食品といった効果訴求によるシェア争いではなく、確かな技術による新しい価値で、すべての人に『健康習慣』を広げなければならない。そのためにプラズマ乳酸菌を機能性の枠を超えた〝免疫ケア〟のシンボルとして確立し、〝免疫ケア〟を食事・睡眠・運動と並ぶ健康管理の主流へと昇華させる」と、〝免疫ケア〟を健康管理の第4のカギとする構想を広げた。

そこで、幼少期の健康習慣をつくり、健康な人生のスタートにするために子どもへの積極的なアプローチを開始する。その重要なプロダクトとなるのが「キリン つよいぞ!ムテキッズ」だ。

遠藤氏「親と子のニーズを満たし、子どもの心を掴む商品を生み出す」

 同社の調査では、子どもを取り巻く環境の変化を背景に子どもの健康が気になる親は増加傾向にあり、また総務省の統計では子ども(15歳未満)の数は2024年に1401万人となり2020年の1503万人から約7%減少している。一方で育児簡便化や手軽な栄養補助ニーズにより乳幼児飲料は2024年に200億円に達し、2020年比で104%増と市場規模を拡大している。

遠藤楓氏

 キリンビバレッジ マーケティング部ブランド担当の遠藤楓氏は、「キリンによる〝11歳までの子どもを持つ親の飲料への期待〟の調査では『子どもは欲しがるけれどできれば体に良いものを飲んでほしい』『体に良いから飲ませたいが子どもがあまり好まない』という両方のニーズを満たす商品が少ないことが分かりました。そこで〝こどもの体調管理に良い〟と〝子どもが楽しく飲める〟という両方のイメージを満たす商品として、今回新たに「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を発売することになりました」と説明した。

 「キリン つよいぞ!ムテキッズ」は、キリンが初めて子どもの飲用を想定して開発した専用健康飲料で、「プラズマ乳酸菌」500億個(子ども1日分)と鉄分1.5mgを配合したヨーグルトテイスト飲料。

パッケージには子どもに愛される「月刊コロコロコミック」(小学館刊)の編集部と共同開発したキャラクター「ムテキッズ」をデザインしている。

目安量6月17日(火)より北海道、東北、九州を除くエリアのイオン、マックスバリュ東海で先行販売される。

 遠藤氏は「飲むだけで子どもの体調管理ができる、子どもの健康を飲料で支えるという新発明の商品です。子どもが進んで健康習慣に取り組める、子どもが健康を好きになってもらえる世界を、飲料企業として創造していきたいと思います」と語った。


編集後記

 キリングループによる「免疫ケア」浸透への思いは並々ならぬものがある。35年以上にもわたる免疫研究から導き出された、日本初の〝免疫に関わる機能性関与成分〟「プラズマ乳酸菌」の利活用はもちろん、免疫そのものを知ってもらい、感染症など健康不安へのアンサーとして役立ててほしいという社会的な意義を感じる活動だ。そのため、機能性表示食品としてだけでなく、ペット向け商品への原料供給も行っている。今回、免疫ケアを子どもの時期から知ってもらう具体的なプロダクトが登場したことは必然と言えるだろう。
 子ども用健康食品の市場は活発化している。ドラッグストアでは子ども向け「肝油ドロップ」やビタミン剤、あるいは「アリナミン」のような滋養強壮ドリンクから子ども向けのパウチ飲料が棚をにぎわせている。一方で、大手食品メーカーがベビーフード・幼児食の生産終了を発表するなど、〝子どもの食〟を取り巻く市場は変革期にあるといえるだろう。ここで飲料大手のキリンが子ども専用健康飲料を市場に投入したことは、市場活性化はもとより、生活者の意識を変えるきっかけになるだろう。少子化で親が我が子に投資する金額は上昇傾向にある。ドラッグストアにおいても、親を巻き込んだ子ども向け健康商材を今一度アップデートする時期にきているのかもしれない。