あじかんは、ペットボトルタイプの焙煎ごぼう茶「おいしい!ごぼう茶」を、2024年11 月1日(金)に自社通販サイト販売を開始。現在、全国のスーパーやドラッグストアへの展開を拡大している。ごぼうのリーディングカンパニーとして健康茶市場をけん引する同社にとって初となるペットボトル飲料について、ヘルスフード事業部 市場開発部 部長の岩本太一氏に話をうかがった。(記事=中西陽治)
――あじかん独自の特許製法でつくったティーバックタイプの「焙煎ごぼう茶」ブランドは、2012年より12年連続で国内のごぼう茶売上 No.1を維持しています。今回ペットボトル飲料を開発した経緯についてお伺いします。
岩本氏:多くのお客さまから『手軽に飲めるペットボトルのごぼう茶もつくってほしい』というご要望いただいてきましたが、開発は失敗と挑戦の繰り返しでした。煮出したお茶と同じような豊かな香りと美味しさを保ちながら、品質や安全性をクリアしていくのは至難の業でした。幾度となく試行錯誤を重ね、14 年の歳月を経て、あじかんが真に納得できるごぼう茶が完成したのです。
あじかんの『焙煎ごぼう茶』ブランドは、前年より引き続き好調を維持しています。主力の「国産焙煎ごぼう茶」が好調をけん引し、「機能性表示食品キレイごぼう茶」などのブレンド茶の販売にも好影響を与えています。これらヘルスケア軸の『焙煎ごぼう茶』ブランドの好調は、もちろんドラッグストアさんの店舗が増えていることも影響しているのでしょう。健康茶市場全体では前年を割っているデータもありますが、あじかんの『焙煎ごぼう茶』ブランドはドラッグストア店頭に定着したこともあり好調を維持しています。
――「おいしい!ごぼう茶」への反応はいかがでしょうか。
岩本氏:「焙煎ごぼう茶」ブランドはドラッグストアへの配荷率が高く、新規の採用はスーパーマーケットにも広がりを見せています。
そのうえで今回の「おいしい!ごぼう茶」がメーンターゲットとしているスーパーマーケットでは、すでに5割ほどで取り扱いがスタートしました。
「ごぼう茶」の役割のひとつである「腸内環境」へのアプローチも広がっています。例えばタンパク質補給の大人用粉ミルクとのクロス展開など、新規取り組みで、いわゆる「健康茶の棚」以外でも露出が増えています。
現在、業界内では「腸活」を具体化した「短鎖脂肪酸」などの取り組みが活発化しているので、「焙煎ごぼう茶」を通じたセミナー依頼などもいただいています。いろんな企業さんとコンタクトをとり、イベント参加も活発化しています。
そこで新規販路の開拓と〝あじかんのごぼう〟のタッチポイントを増やすべく、ペットボトル飲料の「おいしい!ごぼう茶」を発売することになりました。
ペットボトルは、ティーバッグタイプに比べて収益性が低いこともネックでしたが、何より「焙煎ごぼう茶」を愛飲している方に納得していただける味と品質を実現するために14年の歳月をかけ、開発を行ってきたのです。
この度〝あじかんのごぼう〟の名を冠することにふさわしい「おいしい!ごぼう茶」を創り上げ、ごぼう茶未経験の方にもお届けできることになりました。
「焙煎ごぼう茶」の将来的なユーザーを増やすこと、若年層にもごぼう茶を飲んでいただきたい、という狙いもありました。
ドラッグストア店頭ではおかげさまで認知度が上がっていますが、〝あじかんのごぼう〟をさらに広めるためにもスーパーマーケットでも食品カテゴリーでも露出を高めていきたいと思います。
一般消費者向けの展示会やイベントに参加しますと、まだまだ「ごぼう茶」をご存じない方がいらっしゃいます。「おいしい!ごぼう茶」には〝あじかんのごぼう〟を知っていただくための広報活動的な役割も担っています。
「焙煎ごぼう茶」のスーパーマーケットの配荷率も5割ですので、ペットボトル飲料の手軽さを活かしてさらなる拡大を図っていきたいと思います。
スーパーマーケットではいわゆる「健康茶」のカテゴリーが無いお店もありますが、ペットボトル飲料ですと既存の飲料カテゴリーで採用したい、との声をいただいています。
逆にドラッグストアにおいても、十分に健康茶の棚を確保できないコンパクトな店舗でも取り扱えると思います。
「おいしい!ごぼう茶」は、いわゆる健康食品のカテゴリーとは違った切り口での商品となります。ですから販売ルートも食系卸さんの協力をいただいております。
――ペットボトル飲料にごぼう茶を封じ込めるために苦労されたことは
岩本氏:ごぼうを100%そのまま使用した「焙煎ごぼう茶」と違い、ペットボトル飲料はどうしても保存料などの添加物が必要になり、品質管理も異なります。それによりごぼうのフレーバーが変わってしまうことが課題でした。
飲料メーカーさんのノウハウを得ながら開発を進め、納得のいく味に仕上がったのです。
ペットボトル飲料カテゴリーを見回しても「ごぼう茶」はあまり多くありません。それはやはり味と品質確保が難しいのでしょう。あじかんはごぼう茶に高い品質基準を設けていますから、そこをクリアしなければならないのです。
――今後の目標につきまして
岩本氏:販売目標としては第一期で売上ベース1億円を目指しています。
11月1日に発売しましたが、全国展開しているスーパーマーケットさんでのテスト販売、コンビニさんでのスポット採用が進んでいます。また、ドラッグストアでは食系ルートを通じて九州の大賀薬局さん、新生堂薬局さんで取り扱いが始まりました。
――インストアプロモーションにつきまして
岩本氏:あじかん本社に近い広島県や山口県で新聞広告を出しています。地場では〝あじかんのごぼう〟を目にする機会が特に多いので、これをきっかけにエリア拡大を図っていきます。
イベント出展した際も「焙煎ごぼう茶」を味わっていただくことはもちろんですが、ペットボトルタイプがあるとアプローチの幅が広がると思います。
――あじかんのヘルスフード事業にどのような好影響を与えますか。
岩本氏:「おいしい!ごぼう茶」はペットボトル飲料ですので、圧倒的に夏に売れる商材です。2025年春に発売する予定だったのですが、11月に納得のいく形が出来上がりましたので、前倒しで発売しました。
そのため春~夏に向けての助走がついた、と感じています。食系ルートのノウハウを構築する上でも良い発売タイミングだったと言えるでしょう。
ペットボトル飲料は物流コストも高いですから、そのあたりを改善していく必要もありましたから。
助走をつけたことで、春夏には大きなマーケットを構築できると考えています。テスト販売でも「こんなに売れるとは思わなかった」というお声をいただいており、手ごたえを感じていますし、飲料カテゴリーに新風を巻き起こす準備を進めています。
実際のところ、主に一人暮らしの方や若い人は自宅でティーバッグのお茶を飲む機会が少ないと思います。それはごぼう茶にとって機会損失にあたりますから、「おいしい!ごぼう茶」を試していただいて、その魅力に気づいていただきたい。そうすれば「焙煎ごぼう茶」を含めた〝あじかんのごぼう〟の世代や属性を越えたファンを増やせると思います。
ですから「おいしい!ごぼう茶」は、ごぼうのフレーバーをやや軽めにしています。豊潤なごぼうの香りを楽しめる「焙煎ごぼう茶」との住み分けで、喉が渇いたとき、食事の時短ニーズにも応じられる飲料を意識したのです。
――ありがとうございました。
■ 水分補給を兼ねた手軽な腸活に便利
ごぼうには、食物繊維のイヌリン、ポリフェノールなどの栄養成分が含まれている。また、カロリーゼロ、脂質ゼロ、ノンカフェインのため、水分補給を兼ねた健康づくりにも役立つ。食事やリラックスタイム、通勤・通学時など、シーンに合わせて手軽に活用できる。。
■ 7 割以上が「美味しい」「また飲みたい」と回答
一般消費者を対象にした試飲アンケートでは、66 名(36%)の方が「とてもおいしい」、73 名(39%)の方が「おいしい」と回答。さらに、このペットボトルごぼう茶を「また飲みたいと思いますか」という問いに対して、134 名(72%)の方が「飲みたい」と回答している。
※あじかん調べ(2024 年 7 月、東京・大阪・広島・福岡で実施/188 名)
くわしくは特設サイト(あじかん企業サイト内)にて。