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山形大学の健康アプリ「Well-Being YU」全国展開・富士薬品と連携

昨年12月の本アプリ一般公開以降、3月末時点で約1,100名の山形県民が登録・利用している。そして、4月からは全国の人々も利用できるようになった。
今後、当面は以下の取り組みを重点的に進めていく。

1. 企業・自治体向けの分析結果フィードバックの拡充
県内外の企業や自治体に広く活用いただけるよう、さらなる周知活動を行う。

2. 東日本重粒子センターにおける患者様の経過観察サポートの開始
治療を受けられた患者には、退院後にかかりつけ医で定期的に血液検査を実施してもらい、その数値を本アプリに入力してもらう仕組みを導入する。本学の専門医が入力データをもとに再発の兆候を早期に把握し、必要に応じて受診を促すことで、患者の健康管理を支援する。

3. 学会・研究機関との連携による最新医学エビデンスに基づく健康管理機能の導入
本学の研究成果に加え、学会・研究機関と連携し、最新の研究成果やガイドラインを反映した健康チェック・管理機能を順次搭載する。学会・研究機関が保有するデータを活用することで、より実用的で精度の高い機能開発を進めていく。

4.「E-GOTTA健康ジャパン」キャンペーンの推進
富士薬品が展開する「痛風ZERO PROJECT」と「Well-Being YU」のコラボキャンペーン。第一弾は、4月中旬から「痛風ZERO PROJECT」LINE公式アカウント “お友だち”登録いただいている方に「Well-Being YU」を紹介し、「Well-Being YU」の利用拡大を推進する。第二弾は、複合型医薬品企業である富士薬品の強みを生かし、展開する調剤薬局にポスターを掲示(7月~)する。さらに第三弾として配置薬を通じた幅広い情報発信も計画しており、これらの取り組みにより「Well-Being YU」の全国展開をサポートしていく。
これらの取り組みを通じて、より多くの方々の健康維持・増進に貢献できるよう努めていく。

【背景と今後の展望】
●「まいにち記録」の分析結果フィードバック
・近年、全国的に健康経営に関心を持つ企業が増えており、本アプリを利用した職域向けのフィードバックを全国に拡大し、企業の健康経営を支援していく。また、自治体に対しては収集したデータの分析結果を提供し政策立案に活用いただきたいと考えている。

●東日本重粒子センターにおける患者様サポートシステム
・当センターでこれまで治療を受けられた患者の約8割は前立腺がんの方で、前立腺がんの治療後は5~10年程度にわたり、数か月ごとにPSA値を測定し、再発の有無を確認する必要がある。本アプリを日常的に活用し、さらに血液検査の結果を報告してもらうことで、来院の負担を軽減するとともに、より安心して日常生活を送っていくことができるようになることを期待している。

●学会や研究機関との連携
・これまで、学会や研究機関においては、研究成果やガイドラインの社会実装が思うように進まないという課題があった。本アプリに新機能としてこれらの成果を実装することで、研究の実用化が促進され、学会や研究機関の取り組みを一般の方々へ直接還元することが可能になる。
さらに、本アプリを活用してリアルワールドデータを収集し、新たな研究の基盤を構築するとともに、大規模な健康データを解析することで、研究の発展が期待される。これにより、エビデンスに基づいた医療の推進にも貢献できると考えている。

●株式会社富士薬品との連携
・同社は高尿酸血症・痛風治療薬に特化したメーカーとして、痛風再発予防・重症化予防を目的とした啓発活動「痛風ZERO PROJECT」に取り組んできた。痛風の再発を防ぐためには、薬の服用や生活習慣の改善など、長期にわたる取り組みが必要だ。「痛風ZERO PROJECT」のLINE公式アカウントは、生活習慣の改善を目的としており、その点で非常に高い親和性があることから、このたび連携協定を締結する運びとなった。
今後は、痛風予防をはじめとする健康維持・増進を目的とした「E-GOTTA健康ジャパン」キャンペーンを共同で展開し、毎日の健康づくりをサポートしていく。