クスリのアオキホールディングスは7月4日(木)、千葉県の食品スーパー「木村屋」の子会社化と、香川県の食品スーパー「ムーミー」の事業譲渡を受けることを発表した。2社の吸収により、グループ会社のクスリのアオキが運営するSMは22店舗に拡大した。小規模チェーンの食品SMは大手企業やドラッグストア企業との競合を強いられ、生き残りが厳しい時代に突入している一方で、ドラッグストア企業はワンストップショッピングの強化によって業界シェアを高めてきた。こうしたM&Aはドラッグストア企業にとってノウハウと人材確保などに費やす時間が削減されるため、その価値は大きい。(記事=中西陽治)
クスリのアオキHDは6月6日(木)の取締役会において、有限会社木村屋の全株式を2024年8月21日付で取得することを決議した。株式取得後、木村屋はHDグループ会社のクスリのアオキに吸収合併される。木村屋は1987年創業で、千葉県に食品スーパーを4店舗展開している。2024年2月期決算の売上高は62億7,100万円(営業利益4,900万円)。
また、同じく7月4日(木)の取締役会において、株式会社ムーミーの運営するスーパーマーケット7店舗を、HDグループ会社のクスリのアオキが譲り受ける、事業譲渡契約を締結した。事業譲渡日は2024年9月30日を予定している。ムーミーは1988年創業で、香川県に食品スーパーを7店舗展開している。2023年7月期決算の売上高は60億3,000万円(経常利益6,900万円)。
食品スーパー2社の子会社化および事業譲渡により、クスリのアオキHDが運営するスーパーマーケットは22店舗に拡大する。2024年5月21日の組織変更では新たにスーパーマーケット事業を担う「SM事業部」も設置した。クスリのアオキグループは、ドラッグストアを中心に利便性と専門性の強化をコンセプトとし、食品の販売を強化しており、大型店においては生鮮三品の取扱いも行っている。特に鮮魚の取扱いが顕著で、2021年には店頭でマグロの解体ショーを実施するなど、石川県を地場とする鮮魚のノウハウをスーパーマーケット事業に生かしていくものとみられる。
なお、ムーミーの事業譲渡により、クスリのアオキは香川県に初出店することになる。これにより同社の出展エリアは北信越、東北、関東、東海、関西、四国を併せて25都道府県に拡大する。また、クスリのアオキは2024 年9月1日付で愛媛県の食品スーパーのママイの吸収合併を発表。組織変更では、四国地区の展開を見据えた「四国推進担当」を新設しており、四国エリアの展開が加速することは必至だ。
■参考記事
(2023年9月10日)クスリのアオキが中尾のSM1店舗を譲受
(2023年10月16日)クスリのアオキが舞鶴市内のSM3店舗引き受け
(2024年1月10日)クスリのアオキ 静岡SM3店・岐阜HC1店を譲受、四国SMの株式取得を決議
(2024年5月10日)【クスリのアオキ】組織変更でSM事業と四国地域を強化