一般社団法人 日本百貨店協会が「2023年9月 全国百貨店売上高概況」を発表した。
9月の売上高は9.2%増、入店客数10.0%増と、共に19か月連続のプラスとなった。残暑が厳しい中でも、外出機会の増加などから身のまわり品や衣料品、高付加価値商材が牽引した。加えてインバウンドが売上を底上げした他、外商催事や会員向施策、物産展などのイベント効果も見られた。コロナ前との比較では、2019年比は消費増税前の駆け込み需要の反動から16.7%減であったものの、2018年比では2.1%増と、業績回復が進んでいる。
顧客別では、インバウンドが円安効果などから、前月より11.2ポイントアップの255.6%増(18か月連続/シェア7.9%)、売上高326億円とコロナ禍の2020年2月以降、最高額を更新し、調査開始(2014年10月)以来、過去3番目に高い数値となった。コロナ前の2019年比でも29.3%増と高伸した。国内市場は3.1%増(19か月連続/シェア92.1%)だが、2019年比では消費増税前の駆け込み需要の反動で19.1%減であった。
地区別では、インバウンドと高額品が好調な都市(10都市/24か月連続)が8地区で前年実績をクリアし、12.0%増と二桁伸びを示した。この内、大阪地区は、前年の台風による時短営業等の反動に加え、プロ野球の優勝セールも活況で、27.1%増と大幅に伸長した。地方(10都市以外の7地区)も4地区でプラスし、0.2%増と3か月連続で前年実績を確保した。
商品別では、主要5品目のうち4品目で前年実績を超え、身のまわり品と雑貨は2018年比もクリアした。ラグジュアリーブランドを中心に増勢が続く高額品は、一部アイテムで価格改定前の駆け込みも見られた。化粧品はスキンケアやメイクアイテムなどが動き、国内外共に好調を維持した。衣料品は羽織物やブラウス、カットソーなど秋物軽衣料に動きが見
られた。食料品はマイナスに転じたが、彼岸など歳時記やインバウンド需要で菓子が引き続き好調だった。