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カルビー初、熱エネルギーのカーボンオフセット

清原工業団地のカルビー3事業所へ再生可能エネルギー由来のJクレジット導入

カルビー(江原信社長)と東京ガスエンジニアリングソリューションズ(小西康弘社長、以下:TGES)はこのほど、栃木県宇都宮市清原工業団地内に立地するカルビーの3事業所(新宇都宮工場、清原工場、R&Dセンター、以下:カルビー3事業所)において、「再生可能エネルギー由来のJ-クレジット*1(以下:再エネ由来のJ-クレジット)」を活用し、生産工程で必要な熱エネルギーのCO2を実質ゼロにする取り組みを開始した。カルビーはこれまでも、全国の工場で再生可能エネルギー電力の導入を実施してきたが、熱(蒸気・温水)エネルギーにおけるカーボンオフセットは初の試みとなる。

再エネ由来のJ-クレジットを活用した熱エネルギーのカーボン・オフセット

TGESは再エネ由来のJ-クレジットを調達しカルビーに提供。TGESが清原スマートエネルギーセンター(清原SEC)からカルビー3事業所に供給する熱(蒸気・温水)のCO2にJ-クレジットを割り当ててオフセットする。今年度から段階的に開始し、2025年までにカルビー3事業所の熱利用における温室効果ガス排出量(Scope2)の全量に相当する約5,000トン/年のオフセットを目指す。両社は、2019年に開始した「清原工業団地スマエネ事業」*2において、異業種連携による省エネ・省CO2の取り組みを進めてきた。本取り組みの実践によりカーボンニュートラルに向けた動きを加速させ、脱炭素社会の実現に貢献していく。

■未利用残渣(ざんさ)を活用したメタン発酵によるバイオガス製造の実証試験開始

具体的に、ポテトチップス製造工程で発生する、食用に適さず廃棄されていたばれいしょの未利用残渣を活用してメタン発酵させ、バイオガスを製造する実証試験(以下「本実証」)を開始した。

食品残渣等に含まれる有機物を微生物の働きで分解・発酵することで発生するメタンを主成分としたバイオガスは、再生可能エネルギーとして発電設備やボイラの燃料として利用することが可能で、CO2削減や有機系の廃棄物の削減に貢献できる。同実証では、メタン発酵システムの知見を有する東京ガス(笹山晋一社長)を含む3社で協力し、カルビー新宇都宮工場で約半年間の試験を行い、課題の抽出や知見の集積をおこなう。

*1:再生可能エネルギー由来のJ-クレジットとは
再生可能エネルギーの活用によるCO2等の排出削減量を、クレジットとして国が認証しているもので、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)や国際的イニシアチブであるCDP、SBTでの活用が可能となる。

*2:清原工業団地で実現したスマートエネルギーネットワーク事業
TGESが清原SECに設置されたコージェネレーションシステムで発電した電気と、発電時に発生した廃熱で製造した蒸気や温水を3社7事業所 にて面的利用をすること等により、単独事業所では難しい省エネと省CO2を実現する。

<3社7事業所の内訳>
カルビー:新宇都宮工場、清原工場、R&Dセンターの3事業所
キヤノン:宇都宮工場、宇都宮光学機器事業所、光学技術研究所の3事業所
久光製薬:宇都宮工場の1事業所