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アサヒグループ食品が2026年方針を発表

国内・グローバルの2軸で成長
〜酵母と乳酸菌の世界展開を促進

方針説明会に臨んだ川原社長(中央)、マーケティング一部・河口文彦氏(左)、マーケティング四部・高橋岳春氏
スタッフジャンバーを纏い感謝の意を伝える川原社長

2月27日に開催した「2026年事業方針説明会」の冒頭、川原社長は昨年9月29日に発生したサイバー攻撃に伴うシステム障害の影響と現在の状況ついて、次のように述べている。

参考記事:【独占】アサヒグループ食品から関係各位へお詫びと感謝、システム復旧のご報告https://hoitto-hc.com/23011/


感謝の気持ちを表すべく、「サンクスアクション」と銘打った活動をグループ全体で展開する。アサヒグループ食品はオリジナルデザインの「ミンティア」を、全国7ヵ所で合計10万個配布する。配布スケジュールは3月4-5日の東京・名古屋を皮切りに、10-11日の広島、12-13日の福岡、18-19日の大阪、25-26日の仙台、26-27日の札幌となる。「以前にも増して力強い会社にしていくという決意を胸に、私を含む当社役員も各地を訪ね、皆様にお詫びと御礼の気持ちをお伝えする」(川原社長)という。

2026年は、国内・グローバル事業を両輪に持続的な成長を目指す。国内では川原社長が提唱する“多刀流”に磨きをかけ、「新価値創造の開発」「新カテゴリーの創出」に取り組む。その実現に向け、相次ぐ統合で増加した研究拠点を、東京・豊洲の商品開発センターと、茨城・守谷の技術開発センターの2ヵ所に集約する。部門間の連携を促し、研究知見の一元化と技術基盤の強化を図る。

グローバルでは、酵母事業と乳酸菌事業における「コア技術の強化」「販売領域の拡大」「製造体制の強化」に取り組む。

具体的に酵母事業は、開発から60年が経過した「酵母エキス」を用いた食品・バイオ・健康商品・ペットフード・化粧品、ならびに「酵母細胞壁」のタンパク質や食物繊維の活用領域を拡大する。その一環で昨年4月にビール酵母製品を製造するドイツのライバー社(Leiber GmbH)を取得。国内では一昨年よりアサヒビール茨城工場で酵母エキス向けの酵母培養を開始した。さらにアサヒグループ食品栃木小金井工場で試験していた酵母エキスも、来年を目処に本格販売する。

酵母事業のPR策として、「アサヒ酵母サイエンスプロジェクト」を立ち上げた。「酵母の可能性を広く知ってもらうべく、エビデンスを揃えて情報を伝えるほか、商品の中にも素材・成分を組み込んで露出していく」(川原社長)という。

乳酸菌事業は、100年にわたるカルピスの乳酸菌研究で培った知見をもとに、機能性乳酸菌素材のグローバル展開を本格化する。具体的に「CP2305ガセリ菌」「L-92乳酸菌」「乳酸菌CP1563株由来10-HOA」を用い、乳酸菌市場でも特に高い成長が見込まれるポストバイオティクス(死菌)領域を開拓する。

なお「CP2305ガセリ菌」は、海外市場への供給を目的にADM WILD VALENCIAと協業し、北米・欧州・アジアの食品メーカーに販売を開始している。また昨年は世界最大級の2つの食品展示会で「CP2305ガセリ菌」がアワードを受賞しており、その認知度は着実に向上している。

ブランド展開から30年の節目を迎える「ミンティア」シリーズ

今年で30周年を迎える基幹ブランド「ミンティア」は、「マイクロストレス」などにスポットを当てたブランドコミュニケーションを強化し、購入から携帯の再習慣化と、新たな喫食習慣の創出を図る。3月2日に「まるでフルーツシリーズ」2品、4月6日に「+FOCUSクリアラムネ」を発売するとともに、ブランド広告、単品広告、30周年プロモーションの実施などで需要を喚起する。

「ベビーフードの供給は社会的使命」と同社は捉えている

今年で120周年を迎える「和光堂」ブランドが展開するベビーフードは、女性の社会進出や男性の育児参加を背景とした家庭の負担軽減に資する商品として、2017-25年比24%増と伸長が続いている。昨年は既存の低月齢商品に加え、1歳半以降のプレキッズを対象としたブランド、「ぱくぱくプレキッズ」を発売。ベビーフード卒業期の育児の不安を解消する商品として注目されている。

はじめてのフルーチェジュレ

3月9日にはハウス食品の「フルーチェ」とコラボした「はじめてのフルーチェジュレ」2品を発売。一歳半以降の「プレキッズ」のおやつとして提案していく。

このほか2026年は、プロテイン食品の「スリムアップスリム」が20周年、睡眠の質を高める機能性表示食品「ネナイト」が10周年を迎えるなど、節目を迎えるブランドが目白押しとなっている。「既存ブランドのポテンシャルを最大限開花させる」(川原社長)ことが、国内事業の大きなミッションとなりそうだ。

システム障害で出荷が遅れていたシニアフード「まんぷく日和」も本格的に店頭に並び始めた
20周年のスリムアップスリム、10周年のネナイトほか、健康商品群もさらなる拡販を目指す
1930年からのロングセラーブランド「エビオス錠」を中心に、国内でもビール酵母を用いた商品群が伸びている