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【連載】薬学生の地域活動体験記②

第2回「実際に体験してみてわかった地域の現状」

 前回は、私が地域活動を始めたきっかけについてお話ししました。今回は、具体的な活動内容に加えて、実際に活動する中で感じた「地域の現状」や、そこで得た気づきについてお話ししたいと思います。

 地域連携部の活動では、子ども食堂や薬育、健康イベントなど、本当にいろんな現場に関わってきました。たとえば薬育では、小・中学校や高齢者施設に出向いて「薬の正しい飲み方」や「薬物乱用」をテーマに講座を行っています。

 私は個人宅で開催されているサロンや公民館で「薬の保管方法」について講座をしたことがあるのですが、そのときに盛り上がったクイズを1つ紹介します!ぜひ、皆さんも考えてみてください!!

Q.室温とは何度でしょう?
1.15℃~30℃ 2.1℃~30℃ 3.15℃~28℃

正解は……「2.1℃~30℃」です!

 実際にこのクイズに挑戦してもらうと、“3”を選ばれる方がほとんどで、答えを発表した瞬間の「え〜!そうなの!?」という反応は今でも忘れられません。
 そのほかにも、子ども食堂での食事配布やお手伝い、地域の方を対象にした健康茶の試飲会やハーバリウム教室など…。

 地域の方との距離を少しずつ縮めながら、さまざまなイベントを企画・運営してきました。また、私たちが主催するイベント以外にも、地域の町会イベントにボランティアとして参加することもあります。
 そうした活動に参加するたびに感じるのは、「薬学生って、意外と地域で求められているんだな」ということです。
 

 薬の使い方を伝えると「へぇ〜!そうだったのね!」と目を輝かせてくれる瞬間。私たちが話す内容はまだ専門的とは言えないかもしれませんが、“身近な医療”を伝える存在として地域の方が受け入れてくださることが、何よりもうれしくて。その温かさが、活動を続ける原動力になっていました。

 一方で、現場に出てみて初めて気づいた“地域の課題”もありました。イベントの開催を知っている人が限られていたり、健康や薬の相談をしたくても「どこに行けばいいのか分からない」という声を聞くことも。

 活動を通して、「地域の中にはまだまだ知られていないこと、つながれていない人がたくさんいる」と実感しました。支援を必要としているのに、情報が届かないまま輪の外にいる人がいる——その現実を知ったのも、この活動を通しての大きな気づきでした。

 また、代表として部員や地域の方々、大学の先生方との間に立つようになったとき、調整や運営の難しさも痛感しました。学生という立場だからこそ、大学側や地域との“距離感”に悩むことも多かったです。

 部としても立ち上がったばかりで、正解が分からず。時には衝突したり、思うように進まないこともありました。それでも、試行錯誤を重ねながら活動を続けるうちに、少しずつ“学生だからこそできること”が見えてきた気がします。

 地域の方々、行政、そして大学のサポート。それぞれの力が合わさって、初めてひとつの活動が形になる。その“つながりの力”を感じたとき、地域活動の本当の意味を少しだけ掴めたような気がしました。

 少子高齢化が進む今、地域の形そのものが大きく変わろうとしています。活動を支える側の高齢化や人手不足も課題で、地域の人だけで支え続けるのは難しい現実があります。

 だからこそ、私たち学生が地域の方の声に耳を傾け、自分たちにできる形で応えていく。その積み重ねが、地域に新しい風を吹かせるきっかけになると私は思います。

 次回は、そんな経験を通して見えてきた「薬学生だからこそできる地域活動の形」についてお話ししたいと思います。