猛暑が過ぎて少し涼しくなったが、例年より気温が高いと予測される10月も油断は禁物。この時期に見られるのが「残暑バテ」。気温や気圧の変化で自律神経やホルモンバランスが乱れ、放っておくと免疫気が低下し感染症にかかりやすくなる。そこで取り入れたい食物がヨーグルトだ。乳酸菌が腸内環境を整え免疫機能の向上につながるほか、血流を促進させ冷え取り効果もあるという。毎日の食生活で継続摂取して、「残暑バテ」を吹き飛ばしていただきたい。
今年は10月まで例年より気温が高く、北日本を中心に低気圧や前線、湿った空気の影響を受けやすいという予報もあり、暑さに加え変わりやすい天気にも注意が必要だという。このような時期は体に負担がかかりやすく、体力や免疫力の低下により、感染症を引き起こすリスクも大きくなる。
蓄積した暑さによる脱水症や消化機能の低下・食欲不振など、夏の暑さに慣れた頃に起こるのが、いわゆる「残暑バテ」。この現象は気象状況とも関連が深く、「台風」の発生で気圧が乱れ、急激な気候の変化によって自律神経やホルモンバランスが乱れやすくなる。
猛暑対策に詳しい谷口英喜医師(済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/栄養部担当部長)は、「この時期の“なんとなく不調”という状態を放置しないで、夏の時期同様にケアすることが必須」だと指摘する。また「夏の猛暑に、ヨーグルト」PR 事務局は、これらのケアに日々の食生活でヨーグルトを取り入れることを勧めている。
「残暑バテ」の要因の1つ「蓄積型熱中症」の予防には、水分保持効果の高い食品の摂取が必須。80%以上が水分のヨーグルト※1は水分を補うのはもちろん、ヨーグルトに含まれる「乳たんぱく質」を糖質などの炭水化物と一緒に摂取することで、血管中の水分を保持する「アルブミン」が増え、血管内に水分を多く蓄えることができる※2。
また「残暑バテ」が進むと食欲や免疫力が低下し、自律神経やホルモンバランスが乱れた状態に陥り、放っておくと感染症にかかりやすくなる。ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸内環境を整え、善玉菌が増えることによって免疫機能の維持・向上に繋がるほか、自律神経を整えるための適度な発汗が促され、体温調節機能が高まることで体内に熱がこもりにくくなる。このほか、腸内細菌を整えることで、体が暑さを感じた際に体を守るために働くHSPs(Heat shock proteins という熱ショックたんぱく質)の増加も認められている※3。
さらに、前出の「アルブミン」が増えれば血流も増える。手足の指先まで血流が行き渡り体温を上げることで※2、 末端の冷え取り効果も期待できる。ただし、アルブミンはすぐには合成されず、たんぱく質を摂取してから数日かかるので、継続的なヨーグルトの摂取が望ましいという。
※1)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」よりヨーグルト100g中の水分
※2)出典:「Goto et al., JAP, 2010」、「Okazaki et al., JAP, 2009」
※3)出典:Li, Chen, Wang, Pei, Ren, Dai, Li, Ma, Wang, Chang, Chen, Song and Xu.
『Heat acclimation with probiotics-based ORS supplementation alleviates heat stroke-induced multiple organ dysfunction via improving
intestinal thermotolerance and modulating gut microbiota in rats』( Frontiers in Microbiology, Vol. 15, Article 1385333 /2024年6月 )
食べ切りサイズ1パック(100g程度)を、1日1〜2パック食べること。朝と夜の2回を継続することで、腸内環境が整ったをキープできる。
朝食べることで、日中の水分保持力を高めることができ、1日の始まりに腸内環境を整えておけば、食事の吸収が良くなる。また夜は、トイレに行くのを我慢して水分補給を控えがちなため、就寝前にヨーグルトを食べると睡眠中の熱中症予防にも一役買い、かつ良質な睡眠も期待できる。
(「夏の猛暑に、ヨーグルト」PR 事務局ニュースリリースより)
長かった夏が終われば、風邪やインフルエンザの流行が始まる季節へと突入する。この間の「残暑バテ」を放置せず、ここで一度しっかりとリセットして体調を整え、冬に備えることをおすすめしたい。(Hoitto!編集部)
●エアコン漬けの生活をリセット
エアコンの効いた室内で過ごす時間が長いオフィスワーカーは、外に出た時、室内と室外の寒暖差の影響を大きく受けるため、「残暑バテ」になりやすい傾向に。また長時間エアコンに当たり続けていると、「夏冷え」になる可能性も。暑さが和らぎ、夏の最盛期ほどエアコンを使わなくて済むようになったら、設定温度を今までよりも2〜3℃上げてみましょう。(基本、外気よりも3〜5℃下げると良いと言われているので、それを目安に温度調整を)また、朝の比較的涼しい時間帯は外気を取り入れた生活を心掛けましょう。外気に触れることで自律神経が刺激され、体の組織の働きが活発化します。
●白湯を飲んで自律神経の働きを改善
起床後や就寝前に一杯の白湯を飲むと、自律神経の副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。その他にも、血流や食欲の改善などにも役立ちます。
●仙骨シャワーマッサージをする
42℃くらいの熱めのシャワーで、お尻にある「仙骨」(尾骨の上辺り)を強めに1〜2分ほど刺激。交換神経と副交換神経のバランスが整い、手足やお腹の冷えが改善。下半身全体が温まり、便秘解消にも効果的です。旅先で湯船に浸かれない方や、なかなか湯船に浸かる時間がとれない人はぜひ試してみて。もちろん、38〜40℃のぬるめのお湯に10分ほど浸かって、じわっと汗をかくのもおすすめ。
「残暑バテ」や「夏冷え」による不調はそこまで長引かないはずなので、自分でいろいろと対策をしても効果がない場合、何か別の病気が隠れている可能性も。あまり長引く場合は、医療機関への受診も検討することが大切です。