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スギHD、ノックオンザドアを子会社化

スギホールディングス株式会社が9月1日付で、ノックオンザドア株式会社の株式を取得して議決権の全てを保有し、子会社とする。

ノックオンザドアは、「難病患者・家族が輝き、自分らしい人生を送れる社会の実現」を理念に2018 年に創業。てんかん・認知症・ALS などの難病・希少疾患領域において、医療関係者や企業と連携しながら、患者・家族の治療や日常生活を支える「患者支援プラットフォーム」を開発・展開している。

てんかん患者・家族との対話から生まれた、てんかん発作の状況を記録・共有できるスマートフォンアプリ「nanacara」は、累計ダウンロード数が 3.7 万件を超え、小児難治性てんかん領域において約33%のシェアを有している。また、専門医が患者の発作記録をもとに診療支援を行えるクラウド型サービス「nanacara for Doctor」は全国約300の医療機関に導入され、450名以上の医師に活用されるなど、全国の医療現場での活用が広がっている。これらのサービスは、医療現場の効率化と患者満足度の向上に寄与する先進的なソリューションとして高く評価されている。

スギHDは「今回の子会社化は、難病・希少疾患領域における患者支援サービスの高度化と、スペシャリティ医薬品への対応力強化を通じて、「患者中心のケアモデル」の構築を目指す、当社グループの成長戦略における重要なステップと位置付けている」と声明を出した。
スペシャリティ医薬品とは、癌や希少疾患などの治療に用いられる、先進技術で開発された医薬品を指す。近年、製薬企業による開発が加速しており、2030年には医療用医薬品全体の約6 割を占めると予測されるなど、医療・調剤事業の成長を牽引する中核領域。

今回の子会社化により、ノックオンザドアの持つ専門性と技術基盤を、当社グループの店舗網・調剤機能と融合させることで、①てんかん領域における患者支援サービスを当社グループの薬局で展開、②他の難病・希少疾患領域への拡張、③医療 DXの推進による新たな成長領域の開拓に取り組み、患者・家族・医療関係者の声に耳を傾けながら、社会に求められる医療・調剤のあり方を追求していく構え。