8月9日(土)、「第25回JAPANドラッグストアショー」(主催:日本チェーンドラッグストア協会(JACDS))の2日目が始まった。この日はビジネスデーと一般デーの併催で、ドラッグストアの表裏が一体となる1日であった。多くのビジネスパーソンと一般来場者が会場に訪れ、各ブースは大盛り上がり。特にBtoBおよびBtoCの両輪で展開されたイベントは、業界内外に「ドラッグストアの現在地と未来」とドラッグストアで活躍するスタッフの力を示す内容が披露された。2日目の模様をどこよりも詳細に、ビジュアル盛りだくさんで紹介する。(取材=編集長・中西陽治)
初日に比べ、やや気温も落ち着いた8月9日(土)は、会場前から多くの来場者が入場待機列に加わった。またビジネスデーとして最終日となる東4ホールには、ドラッグストアを支えるベンダー企業やテックカンパニーが、作業効率や省人化といったDX施策やリテールソリューションを軸に作業効率化や省人化といった店等機能強化策を展開した。
特に顕著だったのが「ストア&ファーマシーソリューションゾーン」のBtoB提案。共同配送プラット・受発注システムを展開するMIC社、調剤事業を支える「助かる!お薬ロッカー」の使い方を一般消費者にも伝えていたFUJI社、充実した研修カリキュラムで外国人人材と店舗をつなぐTHEパートナーズ社、店舗の省力・効率化を什器で可能とする中日販売、そして今年もショーのオフィシャルショッパーを手掛けた日本サニパック社などが、商談に力を込めた。
一方で、一般来場者にとっては普段見ることがない店舗システムの裏側が見れるとあって、最先端の小売業に興味を示す人も足を運んでいた。
続々と来場者が会場に集まる11時、イベントステージでは「第5回 Men’s Beauty アワード」がスタート。
「セルフメディケーション部門」にサッカー解説者の松木安太郎さん、「Beautyスキンケア部門」に総合格闘家の三浦孝太さん、「Beautyミドル部門」にタレントの佐藤弘道さん、「Beautyライフスタイル部門」に俳優の奥田瑛二さんが輝いた。また、「メーカー協賛賞」には、陸上選手の末續慎吾さん(大塚製薬「UL・OS賞」)、 サッカー元日本代表選手の鈴木啓太さん(花王「メンズビオレ賞」)、元プロ野球選手の糸井嘉男さん(サンスター「サンスタートニック賞」)、お笑い芸人の庄司智春さん(大正製薬「リアップ賞」)、サッカー元日本代表選手の柿谷曜一朗さん(マンダム「LUCIDO賞」)、男子体操金メダリストの橋本大輝さん(リップス「LIPPS賞」)を受賞した。
スペシャルトークショーにも参加した松木安太郎さんは、アワード受賞者にアスリートが多い点について「プロ選手はセルフコントロール、セルフケアが仕事。また、プレーのための調整はもちろん、セルフブランディングのための〝美意識〟に対する意識も高い。受賞者のような、格好良くて美しい男性がどんどん増えてほしいですね」と会場に呼び掛けた。
同時刻、セミナールームでは日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)のドラッグストア機能向上委員会による「OTC現場における受診勧奨の課題と今後」が行われた。
薬剤師・登録販売者および店舗販売責任者にとって重要な課題であるOTC販売と、その先にある治療にどのようにつないでいくか、についてセッションが行われ、セミナールームには職能発揮の道筋と、実践のスキームを求める現場スタッフが詰めかけた。
委員会の学術顧問で総合診療医の岸田直樹氏、委員からはマツキヨココカラ&㏇の荒木文明氏、スギ薬局の蓮実豊氏、ツルハHDの木根崇臣氏、サンキュードラッグの綱田英俊氏、トモズの近藤直也氏、新生堂薬局の永田光司郎氏(※委員代理)が参加。JACDS理事で委員長も務める角谷真司氏(トモズ社長)と北海道家庭医療学センター常務理事の中川貴史氏を加え、議論が交わされた。
委員会活動において、ドラッグストアにおける受診勧奨を拡充すべく、事例の積み重ねとガイドライン策定による業界内普及啓発に力を入れている。
ドラッグストアと医療を繋ぐためには、近隣医療機関との定期的なコミュニケーションが必要であり、その取り組みの実例として北海道札幌市東区で始まった医療連携を水平展開していくべきだとの声が挙がった。実例では「クリニック紹介カード」を介して受診勧奨が行われていること、委員会で作成された受診勧奨ガイドラインを用いた現場での実践と結果のフィードバックが重要であると示された。
イベントステージでは14時30分より「プライドをかけた戦い!薬科大学対抗 クイズ大会」が開催された。第3回を迎える学生対校クイズ大会は、今年は学校対決となり、ドラッグストアに勤める各校OB・OGが母校のサポートに付いた。(結果は「【速報】薬大対抗クイズ大会」を参照)
6校(城西大学/城西国際大学/帝京大学/帝京平成大学/東京薬科大学/日本薬科大学)とサポート6社(ウエルシア薬局/スギ薬局/ツルハHD/トモズ/マツキヨココカラ&㏇/龍生堂本店)が、現役薬剤師でも悩むような〇×問題に挑み、会場は薬学とドラッグストアにまつわるクイズは大いに盛り上がった。
イベント会場には各大学の応援が駆け付け先輩・後輩の奮闘にエールを送り、サポートのドラッグストア企業のトップもプライドをかけた戦いを見守った。
14時40分からセミナールームにて日本医薬品登録販売者会(日登会)による「日登会セミナー 結集せよ『登録販売者』 改正薬機法で登録販売者の役割はどう変わるか!」が開催。
セミナー前半は厚生労働省医薬局総務課課長補佐の山下雄大氏による基調講演「改正薬機法で登録販売者に期待すること」が行われた。
後半のパネルディスカッションでは座長にJACDS副会長で医薬品登録販売者委員会委員長の関伸治氏(セキ薬品会長)が就き、日登会専務理事の横田敏氏、パネリストにJACDS理事の田中元伸氏(くすりのコーエイ社長)、マツキヨココカラ&㏇の山内俊明氏、昭和女子大学グローバルビジネス学部教授の薬袋貴久氏に、山下氏を迎えて〝登録販売者がセルフケア・セルフメディケーションの受け皿になるために何が必要か問う〟について意見が交わされた。
このセミナーは群を抜いた注目度で、開催前から満席、立ち見でも場所が足りなくなるほど。その結果約140人が詰めかけ、登録販売者に対する期待の高さをうかがわせる講演となった。(詳細は後日掲載)
ビジネスデーと一般デーで渾然一体となったショー2日目。紹介したセミナー・イベントは大いに盛り上がり、ドラッグストアの〝NEXT25〟を業界内外に示す一日となった。次のレポートでは一般来場者の盛り上がりにフォーカスを当て、出展ブースおよび体験会、そして来場者の声をお届けする。