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気温上昇、長引く残暑、ニーズのパーソナライズ化/「ユンケル」ブランドの強みが活きるタイミング!



昨今のドラッグストア企業に目を向けると、多くの企業が増収の一方で、食品のラインロビングによってスーパーやコンビニなどの他業態からユーザーが流入し、来店頻度を高めることに成功してきたが、それに伴い、粗利率が低下し、減収となったドラッグストア企業は少なくはない。さらに今後、超高齢社会だけではなく人口減少社会へと本格的に突入する日本では、当然“口”の数が減少するため、出店強化・食品拡充などの現状の成長戦略を継続していけば、これまで通りの成長を展望することは困難となる。コロナ禍における支持拡大は一服感、そしてインバウンド需要はあくまでも外的要因であり、先を見通すことは難しい。

――いかに利益を確保できる企業体質を作っていくか。

これを乗り越えることが、ドラッグストアが直面する大きな課題である。

また、昨今は夏季の気温上昇もドラッグストアの頭を悩ませている。特に7月は、各地で記録的な暑さを記録した。かつては「ドラッグストアは、気温が高まればサマー商材が好調となり、業績に良い影響を与える」とされてきたが、上場ドラッグストア企業の7月度月次売上動向をチェックすると、既存店および全店で大半の企業が前年同月比を超えているものの、その伸長率は今年に入って最低の既存店2.08%(昨年は7.20%)・全店5.53%(昨年は10.80%)となっている。この原因の1つに、暑さによる外出機会の減少があがっている。もはや「夏は暑ければいい」という単純な常識が通用しなくなってきた。



こうした中、ドラッグストア業界で注目されているのがドリンク剤だ。都内ドラッグストアの店長が、ドリンク剤について「ここ数年、夏季におけるドリンク剤の売れ方に変化があった。以前は6月末から売れ出し、7月末に販売の山を作り、盆明けの8月中旬ごろから少しずつ減っていた。しかし昨今では7月中旬と9月中旬に山ができ、リピーターは10月下旬まで買い続ける傾向。やはり、外回りや現場で体を動かす仕事、スポーツをしている方々から夏バテ防止などの滋養強壮として根強い人気がある。今季は残暑が長引くと予測も出ているため、ドリンク剤の動向に期待している」と明かす。

また、「9月は夏商材から秋商材に切り替えるタイミングであり、売り上げを作るのは難しい。こうした中、ドリンク剤が売り上げ・利益の下支えをしてくれるのは非常にありがたい。特に中高価格帯のミニドリンク剤は、効果感を得やすいこともあり、価格と価値が見合っていると認識しているユーザーが多く、店舗とユーザーがよりWin-Winとなりやすいカテゴリーだ」とも語った。

現在、ミニドリンク剤で注目すべきは昨年12月にリニューアルし、初めての夏季となったユンケルブランドの主力品「ユンケル黄帝」(第2類医薬品)だろう。このリニューアルは「現代社会の多様化するストレス・疲れに対応し、活力ある毎日をサポートしたい」といった佐藤製薬の姿勢を表した取り組みであり、昨今の生活の変化や健康意識の向上などといった新たなニーズに対応していく構えだ。


昨年リニューアルしたユンケルブランドの主力品「ユンケル黄帝」


ストレス環境からくる精神的な疲れや、スマホ・PCの長時間使用といった脳への負担からくる疲れなど、疲れの原因は変化しており、これに対して「ユンケル黄帝」は、新たな生薬や成分の配合や既存成分の増量など処方を強化した。エレウテロコック乾燥エキスとγ-オリザノールを新配合し、従来品と比較し、ニンジンエキスを約4倍に、ニコチン酸アミドを約5倍に増量した。
この他、「ユンケル」シリーズには多くの製品がラインナップされており、若年層からの支持を得ている「ユンケル黄帝液プレミアム」、辛味を抑えた味で女性層やミニドリンク剤のエントリー層にも服用しやすい「ユンケル黄帝液L」、カフェインゼロの「ユンケル黄帝DCF」など、1つのブランドで多種多様なニーズ・飲用シーンに対応しているのが特徴である。


女性層やミニドリンク剤のエントリー層にも服用しやすい「ユンケル黄帝液L」


富士経済の市場調査によると、疲労回復関連市場は好調で約1.2兆円を超える規模になっている。「疲労」を心身に過度な負担がかかり、身体が休息を求めている状態と定義し、心身の回復を訴求したドリンク剤(一般用医薬品・医薬部外品)や食品、サプリメント、マッサージ器などの家電や回復グッズ、マッサージサービス、温浴施設を対象とした市場だ。その中でもドリンク剤や食品、サプリメントなどドラッグストア商材の規模も大きいという。

本記事の冒頭に記述した「いかに利益を確保できる企業体質を作っていくか」という課題を解決する一要素としてあげられるのが、「疲労を回復したい」と健康意識が高まる中、一人ひとりパーソナライズ化しているヘルスケアニーズに対応していくことである。ブランドの核となる「ユンケル黄帝」を持ちながらも、多角的な訴求の製品を網羅的に展開する「ユンケル」ブランドの強みを活かせるタイミングにきたと言えるだろう。