日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は12日に第5回通常総会を開き、改選期に当たる2024年度の組織・人事を決議した。2019年から5年間(一社化から4年)会長を務めた池野隆光氏(ウエルシアHD会長)が名誉会長に退き、塚本厚志氏(マツキヨココカラ&カンパニー副社長)が新会長に就任した。退任理事10人、新任理事10人で若返りを図った。創設25年を迎えたJACDSの「第2章」の始まりである。
塚本氏は1962 年生まれの 61 歳。明治薬科大学卒業後にセイジョーに入社。社長に就任した2002 年以降は拡大路線で手腕を発揮し、2008 年に持株会社ココカラファインの社長となる。2021 年にマツキヨココカラ&カンパニーの副社長に着任して現在至る。
物腰柔らかい印象だが、ココカラファイン時代は傘下に入った老舗企業の統合を強力に進めるなど手腕を発揮した。薬剤師として医療の知見も持ち合わせ、健康サポート薬局や敷地内薬局にもチャレンジしてきた。
JACDSでも薬局・薬剤師にかかる検討会などに参加し、業界を守る理論武装も備わる。マツキヨココカラでは松本清雄社長の懐刀として活動。清雄氏をして「JACDSで活動する塚本氏を全面的に支える」と言わしめる存在だ。
前副会長6人中、根津孝一氏(ぱぱす取締役会長)を除く5人が退任し、業務執行体制は一新された。新副会長には亀ヶ谷博之氏(カメガヤ社長)、貞方宏司氏(サンドラッグ社長)、関口周吉氏(龍生堂本店社長)、関伸治氏(セキ薬品会長)、森信氏(ドラッグストアモリ会長)、横山英昭氏(コスモス薬品社長)、平野健二氏(サンキュードラッグ社長)が就いた。
森・横山の両氏ならびに根津氏は業界のロビー活動を担い、関口氏は関係省庁の各種検討会でJACDSの方針を訴えてきた人物。彼らの副会長就任は政治力強化の意図が読み取れ、「声をあげられる人選」と評価される。報酬改定や販売制度問題等の課題解決を通じ、次代のドラッグストアの道筋が示されることを期待したい。
副会長だった樋口俊一氏(ファーマライズ顧問)、江黒純一氏(クスリのマルエ会長)、皆川友夫氏(アカカベ会長)、浦上晃之(ゴダイ会長)、富山睦浩氏(サツドラホールディングス特別顧問)らの退任により、古参は根津孝一氏のみとなった。根津氏はJACDSの組織構築に最も尽力してきた人物であり、25年の歴史を後身に引き継ぐ役割がある。
池野氏以下の退任理事は10人。内部の調整役だった皆川氏、そらぷちキッズキャンプ等の社会貢献活動に尽力した富山氏など、草創期を知るタレント性のある先輩方が身を引いたことは、まさに時代の節目。一方で新任理事に就いた10人は40代も多く、次代の業界を引っ張る存在になる。業界の顔としての意識を持ち、内外にどんどん声をあげてもらいたい。
【続報】JACDS塚本新会長「このメンバーならやり切れる」https://hoitto-hc.com/?p=13287