ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

【イオン】AI値引きシステム1200品目へ拡大

「AIカカク」を畜産・水産部門へ導入 発注システムも適用広げる

イオンリテールは2024年5月に過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示する「AIカカク」の適用範囲を拡大する。同社は2020年に、デジタル化の一環としてAIによる需要予測に本格的に着手し、2021年に値引き支援システム「AIカカク」を総菜部門で実装した。2022年には日配品の一部に適用拡大し、このたび新たに畜産部門と水産部門に導入する。

「AIカカク」は、販売実績や天候・客数などの環境条件を学習したAIが“その日その時”の需要を予測し、バーコードで読み取った商品情報と陳列数をもとに適切な割引率を提示する。
データに裏付けされた価格で販売することで、導入前に比べロス率が1割以上低減しているほか、値引きや売り切り業務に関わる教育時間も低減されている。
このたび生鮮部門への拡大にあたり、部門ごとの販売特性や値引きによる売れ方の変化などを細やかに分析し、店舗特性も考慮しさまざまなチューニングを施すことで実現に至った。
これにより、適用品目数はこれまでの約1.5倍の約1,200品目に拡大し、導入店舗は約380店舗に達する。

AIカカク利用シーンのイメージ(鮮魚はパック後の商品に適用)


【「AIカカク」適用拡大の運用スケジュール】

2021年店内調理の総菜で適用開始
2022年日配品(数日期限)へ拡大
2024年5月8日(水)畜産部門へ拡大
2024年5月22日(水)水産部門へ拡大

適用品目数:約1,200品目
導入店舗:イオンリテールが運営する約380店舗


AIが発注起案する「AIオーダー」も適用範囲拡大

イオンリテールが2023年に導入した需要予測・発注システム「AIオーダー」についても、2024年6月に、適用範囲の拡大を行う。
新たに対象となるのは、日配品の漬物やチルド飲料、チーズ、ハムといった商品と、デリカの冷総菜やサラダで、品目数としてはこれまでの約2倍となる。発注にかかる時間が半減され、入荷整理や品出しをはじめ、在庫管理、値引き、発注修正などあらゆる業務負荷が減り、大きな生産性向上につながる。
イオンリテールは、店舗にとどまらず生産や流通といったサプライチェーン全体の課題解決にAIシステムを適用する展望のもと、鋭意開発を進めていく方針。